成人:今回は成人から芥さんにインタビューをします！事前にいくつか質問用意してます。
芥:あっ本当に！？
成人:そっちの方が答えやすいかなと思って！今までインストアイベントとかで学生時代ギターをやっていたと言ってたけど、なぜボーカルになったの？経緯的な。
芥：高校一年生の時は自分がギターでバンドをやっていたんだけど、その時の友達と意見の不一致で離れていってしまって。事実上の初解散（笑）
成人：(笑)
芥：その後二年生の時に先輩とバンドを組むようになって、最初はギターを弾く予定だったんだけど、全然ボーカルがいなくて、LArc-en-Cielのコピーを歌ったら「いいじゃん！」って言われてから始めるようになった感じかな。確固たる意志があってボーカルを始めた感じじゃないんだよね。ふわっとボーカルになったみたいな
(笑)でも歌は昔から好きだった。
成人：高校生は文化祭とかでもやってたんだよね。じゃあ文化祭じゃない（学校以外）外での初ライブはいつなの？
芥：高校2年生の時にコンクール？コンテスト？みたいなのに出たんだよね。バンドで出ようとしたんだけどメンバーに喫煙者が出て停学になっちゃって。だから弾き語りで出たんだよね(笑)
成人：弾き語り！？(笑)
芥：最初は無理って言ってたんだけど、人が集まらなかったみたいで実行委員のお姉さんが「どうしてもお願いします！」と泣き落としにかかられて(笑)
成人：押しに負けたってこと？(笑)
芥：「貴方の歌が好きなんです」って。まず貴方は俺の歌をほとんど聞いた事ないでしょと思ってたけど(笑)
けどそこまで言われたら弾き語りでもよければやりますって。しかもエレキギターで(笑)
成人：エレキギターなんだ(笑)
芥：アコースティックギターを持っていなくて。エレキギターにピッチシフターディレイっていう空間系のエフェクトをかまして。必要あるかないかわからない機材をとにかく繋いで参戦しました。
成人：学生っぽいよね（笑）それで何曲やったの？
芥：三曲かな。カヴァー2曲とオリジナル一曲。ちなみにタイトルは「ありがとう」(笑)
成人：高校生らしい真っ直ぐなタイトルだね(笑)
芥：なんでありがとうだったのかわからないけど感謝したかったんだろうね(笑)
成人：じゃあその曲が初の作詞、作曲なの？
芥：いやその前から曲は作ってたりしてたよ！ライブハウスでやるのがその曲が初めてって感じかな。ちなみに3年生で同じイベントに出た時のオリジナル曲は「CROSS」
成人：あれなんだか急に英語(笑)
芥：白シャツに黒いズボン着て、セルフメイクで参戦(笑)
成人：じゃあ卒業してからもバンドやってたの？
芥：大学に行ってたんだけど最初なかなか見つからなくて。メンボサイトとか見て出会った人と会ってみたり。
成人：前に言ってたけど最初はビジュアル系じゃなかったんだよね？
芥：ないってわけじゃないんだよね。若干ビジュアル系。
成人：けど対バン相手はビジュアル系じゃないんでしょ？
芥：いや色々なんだよね。今度秘め事をやる本八幡ROUTE14がメインだったんだけど、対バンが結構ごちゃまぜで。
成人：確かにそのイメージかも。
芥：だからメタルとかポップとかロックバンドみたいな人達もいたし。本八幡ROUTE14はそういう箱なんだよね。
成人：昔出た時にポスターとか見てそう思った！
芥：出た事あるんだ！その時はビジュアル系のイベント？
成人：そう。その時はビジュアル系のイベンターさんがいてビジュアル系だけのイベントだったね。
芥：当時クランチってイベントがあってそれに色々なジャンルのバンドが出てたの。ちなみにビジュアル系だけのイベントはフェアリーテイル。ほぼ同時期に実は千歳くんがフェアリーテイルに出てたみたいなんだよね。
成人：あっ千歳さんも出てたんだ！
芥：うちのバンドがもっとビジュアル系していたらフェアリーテイルしていたかもしれない(笑)
成人：なるほどね。そこで出ていたら千歳さんと対バンしていた可能性もあったんだね。
芥：あともう一つネジクレマニアっていうイベントがあって、もっとマニアックというか、世界観の深いビジュアル系イベントなの。その三つのイベントの頂点のイベントがあってそれがオーバードライブ。
成人：イベントのランク付けみたいなのがあるんだね。
芥：みんなそこを目指して頑張るみたいなね！
成人：じゃあ本当に本八幡ROUTE14がメインの活動場所だったんだね。
芥：そうだね都内とかにもほとんど出なかったしね。
成人：けどなんで本八幡ROUTE14だったの？
芥：一緒にやってる人が千葉の人で、本八幡ROUTE14はcali≠gariとかMUCC
とか大先輩達を輩出してて、独特のシーンがあったんだよね。
成人：いわば登竜門みたいな？
芥：そうそう。ここで一番にならなくちゃ東京に行っちゃダメでしょ的なノリだったんだよね。だから東京に行こうとしなかった。そんな感じだったからライブも月に一本ぐらいの緩いペースでやってて遠征とかも一切もせず終わりました。
成人：そうなんだね(笑)
芥：最終的にはちょっと都内には出るようにはなったんだけどね！
成人：じゃあそのバンドが終わってビジュアル系一発目のバンドは？
芥：Administrator！
成人：もうそこでAdministratorだったんだ！メンバーとはどういうきっかけで出会ったの？
芥：メンボサイトに歌をアップしたら公佑と卓也が見つけてくれて、後日カラオケ試験みたいな会合に行ってL’Arc～en～Cielを歌ったら気に入ってくれてその日にはバンドをしようって話になった。
成人：なるほどね。意外な歴史が出てきたね(笑)
芥：意外とその辺の過去の話ってあまりしたことなかったかもね(笑)
成人：だからあえてこういう時に聞いてみたいなと思って！じゃあ次は歌詞について聞いていこうかな。一番何をしている時が歌詞を思いつく？
芥：思いつく時はあんまりないかもな、、特にない。
成人：じゃあいつも曲のテーマ決めはどうしてるの？秘策とか。
芥：秘策は全くないね(笑)でも実体験とか人の体験とかから引っ張ることは多い。歌いたいフレーズがいきなり浮かぶこともあるね。「揺らめくあの日は万華鏡」の歌詞の「伝えてくれなきゃわからない」とか。
成人：じゃあそこから掘り下げていってって感じってことね。
芥：まずは仮タイトル決めしてから広げることも多いし、この大事な一フレーズがどう聞こえるかみたいなことをメインに考える。苦労するんです本当に。秘策ほしいです(笑)
成人：逆にね(笑)
芥：それにしても今回のアルバムの制作は本当に間に合わないと思った(笑)
成人：今回製作期間が短かったしね。
芥：短かったというかスケジュールが詰まってたよね。恒例の「間に合わないかもしれないライン」もあり(笑)
成人：製作時期の風物詩だよね(笑)本当に間に合わなかったことはないけどジャブ入れるみたいな(笑)
芥：半泣きで無理かもしれませんと(笑)
成人：それでもちゃんといつも間に合わせてくるからさすがだと思ってるけどね。
芥：ありがとう（笑）でも今回は特に追い込まれたからこそ、本心や素直な言葉が出てきたなって思ってる。ランナーズハイみたいなところがあったかも。
成人：確かにいつもの歌詞より生々しい表現だったり違うアプローチは感じるね。ちなみにChantyの曲で自分の実体験というか主役の曲はあるの？他の人のテーマが多いイメージだけど。
芥：色々あるけど、冤罪ブルースとかは自分がメインの話だね！電車でよく会う女性に対して勝手に妄想する話。そういえば聞いてくださいよ！あの曲書くきっかけになった子、最近見なくなったの！
成人；どういうこと？
芥：前回やった座談会のとき「ミツケタ」の歌詞のことについて話したじゃない？冤罪ブルースの続編だって話。その記事がアップされたあたりから見なくなったから、実はChanty知ってたりして、たまたま記事読んで気持ち悪いって思われたとかないかなって。たまたまだとは思うけど、なんだか妄想してしまいます。
成人：それはないと思うよ（笑）
芥：そうだよね？たまたまだよね？
成人：なんて言ってほしいの（笑）
芥：いや、いいんだけど、あの歌詞を書いたのになんだか悲しいです。
成人：確かにね(笑)あまり気にしないほうがいいんじゃない？芥さん気にしいなとこあるよね。
芥：はい。
成人：話戻すね。じゃああまり歌詞の秘策はないってことね？
芥：その時その時に置かれている状況で出てくることが多いかな。
成人：じゃあこれはプライベートな部分な所で最近のマイブームは？
芥：マイブームて難しいね(笑)無いかも。趣味ほしい。
成人：比較的何でも興味があるというか発想の転換をしてるイメージなんだよね。
芥：そう考えたらなんでもマイブームかもしれない
成人：なんだそれ(笑)
芥：あ、でも最近ギターがやっぱり楽しいなって。ワンマンツアーだから普段より弾く機会が多くなってるからかもしれないけど、自分と一体になって歌詞を吐き出してくれてる気がして。さっきもホテルで曲を作ってたんだけど（3月23日時点）俺がギターを持ってあーでもないこーでもないってやってたりね。
成人：楽屋でもよくギター弾いてるもんね。そうだ、なんで急にこういうインタビュー形式のものをやろうと思ったの？
芥：面白そうってのが一番！メンバーのこと改めて知れるのっていいなーって。ずっと一緒にいたら知ることを諦めはじめたりしない？当然出会った頃より色んなこと知っちゃってると興味もなくなるところもあるだろうし。うちは仲いいとは思うけど、メンバーがメンバーをインタビューすることでまた発見できることあったら面白いなって。
成人：なるほどね。確かにそれはあるかも。
芥：あと、別の理由というか、単純にインタビューとかってリリース時期の直前以外見る機会って少ないじゃない？その時に例えばWEB媒体さんや紙媒体さんとかで特集してもらったとしても、いざ見ようとした時に遡るのが面倒になるし、雑誌は手に入らなくなるし、それはそれでいいところもあるんだけど、自分達でその時に感じてるものを熱があるうちにバンド自身で発信してみるのもいいんじゃないかって。スピーディだし。ライブレポートとかもそう。
もちろん自分達発信となると、拡散性にも乏しいのかもしれないけど、知っている人が得をするっていう場所があるのもいいなって思ったのが発案のきっかけ。
成人：常にリアルな声を届ける的なね。
芥：最近オフィシャルサイトってあんまりみんな見ないと思うんだよね。
成人：昔よりツイッターとかが活用されるようになったしね。
芥：ツイッターを見たらある程度わかるしそれでも全然いいんだけど、もっとオフィシャルサイトで面白いことをやってるよって言えた方がいいんじゃないかなって！
成人：そうね、オフィシャルサイトだったら後で知った人もいつでも読み返せるってメリットはあるかも。
芥：もちろんこれから紙媒体さんやWEB媒体さんにもお世話になるとは思うんだけど、オフィシャルはオフィシャルで何か違う形で出来たら一番いいなと思ってね。全然戦略的とかではなくて自分達が面白いなって思うことをやりたい。スローペースかもしれないけどこれからそういう機会を増やせたらいいなと思ってる。
成人：そうだね、これからバンド主導で面白いこと出来たらいいよね！
成人：じゃあ最後にワンマンツーどうですか？
芥：どうって！？(笑)
成人：じゃあ聞方を変える！芥さんってライブ中どこに一番生きがいを感じる？熱くなれるポイントみたいな。
芥：今回のワンマンツアーってなんか特別で。ワンマンツアーって簡単に出来るものじゃないじゃん？
成人：もちろんそうだよね。
芥：前はちょっと見せたがりというか「どうだ見てくれ！！」みたいな気持ちがあったけど、今回はみんなの幸せと自分達の幸せがどこで一致するのとか、そもそもどんなことが幸せなのかとか考えちゃうんだよね。
成人：ライブ中に？
芥：そうそう。今回のワンマンツアーは今までやったワンマンツアーよりきっと、会場には色んな感情が集まっているような気がして。だから、この感情の到達点はどこだろうとか考えるんだよね。自分自身悩んでいるのは正直あって。表現をよく見せたいとかよく見られたいというかそういうツアーじゃなくて、簡単じゃないのかもしれないけど過去も今も未来もひっくるめて全員が幸せになれるかどうかみたいなね。極端な話、楽曲もニューアルバムを育てるツアーとは思っていないし。けど最近そんな感情を「最低」が全部丸め込んでくれているんじゃないかなって。今までChantyになかった暖かさと開け方がある曲だなって。他の曲でも似たタイプの曲はあるんだけど最低をやっている時に特に幸せを感じるんだよね。
成人：それ前にちらっと話していたよね。
芥：どんな気持ちで曲を見てくれてもいいやって。基本的に曲に関してはどう感じてもいいって言いつつやっぱり自分の中には軸みたいなものがあって。けど最低に関しては特にどう感じてくれてもいいやって。泣いても笑っても怒ってもいいと思えるようになったかな。自分が悩んでいることだったりすることを最低が包み込んでくれているような気がして。
成人：けどそれは俺も感じるんだよね。
芥：やっぱりそうだよね！？なんか変な曲だよね。
成人：フロント三人も俺もドラムに座りながらだけど前を見てるけど違う感覚というか、それが単純に楽しいという感覚という人もいるし違う感情を抱いてる人もいるし。
芥：泣きそうな顔をしている人もいるしね。
成人：そうそう。
芥：多幸感とはまた違うんだけど、必要以上に混ざらないというか辛かったら寄り添う程度でよくない？みたいな歌詞。自分の中でのChantyと君達の距離はこうあってもいいんじゃないかみたいなことが最低で表現出来たんじゃないかなって。MVも自分達でカット割りを決めたりしたじゃない？MVのあの二人もそんなに親しくないというか、恋人じゃない親友とかでもない二人だけどいいんじゃんみたいな！？共通の意思が合った二人だったらみたいな！
成人：良い意味で雑というかラフな意味でね！
芥：それで救われてくれたら追わなくちゃいけない義務とか没頭する責任もないわけだし。もちろんそれが愛だったり友情だったり一般的には正しい形かもしれないけど、バンドとして捉えた時に寄り添う関係でありたい。それが形になったのが最低かなって。だからライブに「あっ」って思う瞬間がある。その「あっ」まだ完全にはわかっていないんだけどね。
成人：けど今まで感じたものは違うってことよね。
芥：このツアー中、朝起きて急に寂しくならない？(笑)
成人：寂しいという感情がどのことを言ってるのかわからないけども(笑)
芥：ならないか(笑)
成人：今の所わからないかな(笑)
芥：この前の千葉LOOKが終わった時点でこのツアーが終わっちゃうって思っちゃって。箇所数は多いんだけどなんか寂しいって思っちゃって。そのフラストレーションが次の会場で爆発するというかね。それを繰り返してる毎日かな。
成人：だからライブに没頭出来るみたいな？
芥：そうだね今までとは違う形で集中出来てる！
成人：とても良いことだよね！ありがとうございました！