自家製座談会

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2ndミニアルバム『壊創するシンポジウム』の発売から約1か月と少し、お馴染みのメンツの揃うイベントツアー真っ最中の札幌にて近況座談会を実施。

良きライバルの揃うツアーについて、最新アルバムの曲たちがあるからこそ改めて光る過去の楽曲たちについてなど、札幌にて機材車の中で語ってもらった。

糸永:絶賛イベントツアー中ですが、新しいアルバムを引っ提げて挑む今回の全国ツアーはいかがですか?

千歳:新曲が多くなるからこそ、全然やってなかった曲とかぶち込みたいね。「ここでやる!?」みたいな曲(笑)。

芥:札幌初日の「終わりの始まり」みたいにね。慣れた仲の良いメンツだからこそ、1回ふんどしを締め直して、自分たちは1年目で初めてここに来ましたみたいな気持ちで臨んだ。で、ポカンとしてるお客さん見て本当に色々思い出しました。(笑)。

野中:初ライヴしてるかのようだった。

芥:今回のミニアルバムが即戦力として使える曲ばかりで。ピースが出揃ったって思ったから、新しい曲を見せるプラス、千歳くんが言ってたみたいな「ここでこれ!?」みたいなの曲があって、改めて曲だけじゃなく気持ちも育てていきたいなって思って「終わりの始まり」を持ってきたら見事に初心に帰りました。一瞬ひるみそうになりましたもん。

糸永:新曲の反応はどうですか?

千歳:「ねぇ」とかは初めてやったときのお客さんのノリとかがすごくてびっくりしちゃって。

芥:初出しにしてワンマンみたいになったね。

千歳:「ポリシー」とかもこんな感じでやってみる?とか初めに決めたけど、俺たちが思うこういう風に盛り上がるんだろうな!っていうのとお客さんのそれとはちょっと違って。だからこっちが提示しすぎるのも良くないんだって気付いて、初披露した秘め事の日にライヴ中聞きながら作っていったりして。

野中:例えば先にここはモッシュするって言ったら、7割の人はモッシュしてるけど2割の人はジャンプしてて。1割の人は良くわからん事しててっていう。楽しみ方は人それぞれかも知れへんけど、本当に十人十色なんやと思った。そういうのって面白いよね。

成人:哲学みたい(笑)。

野中:でも俺らも色んなお客さんを見てきてるわけやん。でも、あ、そこそうなんだって思うってことはいまだに発見があるってことやから面白い!

芥:だから「終わりの始まり」入れたのも、実はここで拳をあげてみたかった頭振りたかったっていうのが今までの曲であるんじゃないかなって思って。だったらツアーを重ねる中でそういうのを全然やってもらって今までの曲でも新しい楽しみを見つけて欲しいなってのもありますね。

野中:集中的にライヴがあるからそういう考えにもなりやすいよね。新しい試みにも挑戦しやすいし。

芥:それも踏まえてこれからこのツアーのセトリを考えないといけないとなんで・・・。この曲やりたい!とかあったら相談してください。

糸永:それぞれセットリストに入れたい曲はあります?

野中:俺は【3.0.17】やりたいです。

成人:「落ちる球体」の出番はありますか?

野中:ないです。

一同:(笑)。

芥:そうだなあ、「落ちる球体」はお年玉の曲なんでまた年始くらいにやりたいよね。

野中:「落ちる球体」ってなんだかんだ人気なのは分かってるよね。なのにうちの持ち曲の中で一番登場率が少ないかも。その分毎回来てるような人も聞けない曲でもあるし、レア度がどんどん上がってプレミア付いてきてる気がする。

芥:最後が今年の4月吉祥寺CLUB SEATAでのワンマンで少しアレンジして演ったんだけど、やってみたらまた更にアレンジ変えたいなって思った。曲数56曲の対バンの中でどこまでやれるかは別として、このイベントツアーでもリリースツアーに止まらず新曲以外にもフォーカスを当ててやっていけたらいいね。

千歳:今だからできるものがあるはずだよね。今までやってた曲でも今表現すると絶対聞こえ方違うし、挑戦したい。それは今回のアルバムで培ったものを糧に今ある曲に改めて向き合って。そうすると見えてくるものは100%違うはずだから。曲の価値観って結構変わってくるから、アレンジしてもしそれが全然違う曲に変わったとしても俺はそれはありだと思ってる。それが今の俺たちの表現するこの曲ですって。

成人:「衝動的少女」とかもそうだもんね。前の曲だけどその後アレンジ加えて今はちょっと展開増えたりして。

千歳:だからそういうのガンガン挑戦してみた方が刺激になるよね。

糸永:春ぶりの全国ツアーとのことですが、楽しみに思ってることありますか?

成人:どの箇所も今年最後の場所が多いから、行けることがどこも楽しみかな。このツアーの後、次までしばらく空くところもあるし。今年は天災も多くて、色んな地域の人達が不安な思いをしながら過ごしたと思うんですよ。それが今も続いてるところも多いですしね。だから改めてツアーができることってありがたいし、迎えてくれる恩返しをしたいというか。

芥:前はツアーバンドって言えるくらいだったけど今年はめっきり本数を抑えて。集中してその箇所に残していきたいものっていうのが今はあるからね。

野中:なんかラーメンはここの店が1番美味しいとかそういうランク付けができないのと一緒で、どこが1番良かったとか1番が全く分からなくて。その時食べたラーメンが1番美味しい。ってタイプだから、俺はどんなミスとか多くて完成度の低いライヴだったとしても、自分的には1番楽しかった!って思うタイプ。だから今のところ楽しかった!っていうのは昨日(笑)。行く地方行く地方でそれが全部1番になるからどこも楽しみかな。

芥:今までのライヴを塗り替えるわけじゃなくてね。

拓:そう!以下、全部2位タイやから。

芥:あ、そういう考えは面白い。昨日なんてミスや事故が多発して、そうするとうわぁーってなるんだけど、前だったらそれが集中力の切れるきっかけになっちゃってたのが、逆に奮起できる材料にできることが最近すごい多くて。それも含めて昨日も色々あったけど、結果すごくいい内容にできた。そういう普段味わえないようなイレギュラーとか色んなものが形になるツアーになるといいなって思ったりしますね。

千歳:ツアー回ってくと良いハプニングも悪いハプニングもあって、ハプニング乗り越えるとちょっと人って成長するじゃん。それがツアーの醍醐味だと思うし、毎回同じことしないっていうのも挑戦だから。

芥:だから、一昨日が僕らにとってオータムカップ初日だったけど、その初日のO.Aでやった※はじゅかしいねというハプニングを受けて千歳くんは一回り大きくなって「終わりの始まり」を迎えることができたからね。

千歳:鍛えられたよ心が。

芥:あれははじゅかしかったね。本当に。でも千歳くんだんだんボーカルになってきてます。これからに期待。

Autumn Cup札幌公演の初日に千歳がボーカルとなりベルの明弥、正人、DOFdettoを従えセッションバンド「はじゅかしいね」を結成。O.Aを務めた

糸永:余談ですけど、Chanty的過去最悪のハプニングって何がありました?

芥:メンバーの髪のセットが間に合わなくて、半分くらいしか立ち上がってないまま本人も少しテンションが下がってたからそれだったら水でもかぶってやっとけよと俺がステージ出て1曲目で水を全部かけて髪型を崩してあげた。それがきっかけでテンションが上がってて、あれはハプニングだけどほっこりしました。

千歳:あと、ワンマンで成人君のバスドラが破れて止めたよね。

成人:あったね。大阪で止めざるを得なくなって。

芥:ライヴ中に張替えするってなかなかないよね。そういうことがあればあるほど育てていってる感じはする。

糸永:ハプニング強いな方だなといつも思いますよ。

芥:そうかな?僕ら、メンタルは基本弱いですよ(笑)。

成人:確かにね。でもちょっとは強くなったんだと思うよ。

芥:そう考えると昨日のベルのライヴ、あらかじめ決め打ちしてないのにハプニングも起こしつつそれぞれが持ち回りをしっかりやっていく感じ、あれ本当いつもすごいなって思う。

成人:自然と個々のキャラも出てるしね。

芥:自己インタビューなのに急にベルを褒める話(笑)。でも強いライバル、敵がいないと伸びることできないから、恵まれてるよね我々。近くにそういうクオリティの高いことしてくれる人たちがいっぱいいるから負けたくない。

野中:3マンツアー回ったベルとDOFだけじゃなくて、アンフィルとレイヴも仲良いからベース隊みんなで話すんだけど、普通にChantyのこととか自分たちの話をしてくれて。俺も言うし。そんな環境って幸せじゃない?演奏に関して、真面目すぎるよ!とか、逆にもっとこう考えなよとか。それってあんまり仲良くなかったら言えないから。芥さんの言った良いライバルじゃないけど、競う相手がいるからもっと頑張ろうってバンド単位でも思えるし。恵まれてるよ(笑)。

千歳:実りあるツアーになるね。

芥:きっと同じくらいの規模間で一歩前に出たい!っていう人たちの集まりだと思うから、仲はいいのに実はめちゃくちゃギラギラしてるんです。怖いときありますもん。

野中:個人はもちろん仲良いけど、対バンドとしては本当ギラついてると思う。

どこか1か所はここに勝ちたい!とか、そういう目標を持ってやってるだろうし。

芥:仲良くなりすぎているからこそ一歩出鼻をくじいてやりたいみたいな(笑)。だからこのツアーかなり気合が入ってるんですよ。下回りも非常に強い人たち入ってくるし。クセがあって芯のあるバンドが多いから楽しみなんです。見慣れた空気だからこうだろうなって予測して来ない方が楽しいんじゃないかな。多分、思ってる以上にみんなギラついてます(笑)。みんながこのツアーを自分たちの今後の展開に繋げてやろうっていう気持ちが少なからずあるからね。

野中:そうじゃないと意味がないからね。

芥:結果その高めあいがこのツアー自体の成功へ繋がれば最高です。みんなかっこいいですもん。

糸永:Chantyは次の展開にワンマンライヴ“どくせんよく~名古屋編~”が待ち構えてますね。今からライヴの構想練ってたりします?

野中:明けましておめでとうライヴやね。

千歳:絶賛進行中ですよ。

芥:あの名古屋E.L.Lですよ。特攻打ちたい!とかはないけど(笑)。

野中:銀テープとかね。

芥:僕たちもレーザーとか使うとき来るのかな?

野中:それもそういう曲が出来ればね(笑)。でも使いそうじゃない、この曲でレーザー!?って曲でもやってみたら面白いかもしれない。

芥:「インピーダンス」とかいいかもね。

野中:E.L.Lだったら色々出来そうな気がする。

糸永:実現できるかは別としてやりたいな!ってことあります?

野中:芥さんが下から出てくるとか。ステージの下からエレベーターみたいなので出てくるやつ。

芥:ああ~やりたいね(笑)。E.L.Lは横の貨物のエレベーターみたいなのしかないけどね(笑)。

野中:で、出てきた芥さんが2019の形のサングラスをバッと取ってみたりね。

千歳:お正月なら銀テープ飛ばしたい!

野中:ミラーボールかと思いきやくす玉とか。

芥:あ、後ろの照明すごく細かくついてるからそれ2019の文字に光らせたりとか(笑)。

成人:それいいね(笑)。

千歳:まあそんなところをもう少し揉んで形にしていきます(笑)。

 

文:糸永お菓子